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[ Project story ]

次なるヒット商品を生み出せ OSリング開発に取り組んだ3人の技術者の軌跡

次なるヒット商品を生み出せ OSリング開発に取り組んだ3人の技術者の軌跡

岡部は、
技術開発がその命運を握る企業だと
いっても過言ではないだろう。
しかし、画期的な製品など、
一朝一夕に生み出すことはできない。

OSリングという
現代の鉄骨の建築物において、
必要不可欠の製品がある。
見た目は極めてシンプルだが、
その開発の背景には、
数え切れない失敗があり、
技術者たちの苦悩があった。

OSリング開発に立ち向かった、
3人の技術者を追いかけた。

Project member

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  • 技術開発

    T. H.
    【技術開発部 構造グループ 技術支援チーム】
    1995年入社/工学部 建築学科卒

    設計や現場管理よりも実験に興味があり、岡部が1993年に竣工した構造実験センターに惹かれ、入社した。

  • 技術開発

    Y. M.
    【技術開発部 構造グループ 接合開発チーム】
    2004年入社/工学研究科 建築学専攻修了

    大学時代は構造用柱脚の研究に取り組み、そのつながりから岡部に入社。多くの技術者が学会発表を行うなど、岡部は向学心を持つ技術者に恵まれた環境があると胸を張る。

  • 技術開発

    M. M.
    【技術開発部 構造グループ 鋼構造開発チーム】
    2003年入社/工学研究科 建築学専攻修了

    大学では建築鉄骨の実験を主とした研究室に所属。その経験を生かせる企業への就職を希望していた。岡部はまさにその希望を叶える企業だった。

Chapter 1

ライバル企業に後れをとる。
開発は急を要した。

T. H. は入社以来10年間、岡部の主力商品であるベースパックをしのぐ、次なるヒット商品の開発に取り組んできた。しかし、目に見える成果をあげられていなかった。そうして迎えた2003年秋、彼は非常に困難な課題と向き合っていた。鉄骨梁貫通孔補強工法※への新たな取り組みだ。開発テーマは低コストでシンプルな構造。そして、他社に真似できない技術でなければならない。
「建築を行う際、梁(ハリ)の鉄骨に空調などの孔を開けます。しかし、孔を開けると強度が落ちます。そこで補強するための技術が必要となるのです」。
さまざまなデータを集め、試作品をつくり、何度も実験を重ねるなか、ライバル企業から同じコンセプトの製品が発売された。先を越されたのだ。岡部としても、ますます開発を急がねばならなかった。
T. H. には長年、ヒット商品が開発できない焦りもあった。そんなとき、このプロジェクトに抜擢されたのが、入社2年目を迎えたばかりのM. M. だった。新たな体制のもと、T. H. は心機一転、若手技術者と共に極めてハードルの高い課題に立ち向っていった。

※鉄骨梁貫通孔補強工法:
配管設備などのため鉄骨の梁に貫通孔を設ける際に、その補強をするための工法。

Chapter 2

数々の失敗と試行錯誤の結果、
そのときは訪れた。

彼らの前には、さまざまな壁が立ちはだかった。「たとえばコストダウンには軽量化が効果的ですが、では、どのように無駄を省くか、簡単に結論が出るものではありません」とT. H. 。この課題においてはM. M. がFEM解析※を担当。毎日のように試行錯誤を重ねた。
「シミュレーション解析や構造実験を繰り返していました。ただ当時はFEMの知識もスキルもなかったので、このプロジェクトを通じてスキルアップが図れたことは私にとって良い経験でした」。M. M. の言葉からは、岡部の「人を育てる」という姿勢もうかがえる。
製品の開発において、技術者たちは特許に抵触する危険性を常に意識する。その制限のなかで、彼らはさまざまなアイデアを出し合った。材料、形状、溝の位置など、来る日も来る日も試行錯誤の連続だ。そしてある日、ローリング鍛造という独自の技術を持つ協力会社にたどり着いた。この技術なら求めている精度が実現できるのではないか。T. H. とM. M. は色めき立った。そして、この出会いが製品化を加速させることになったのである。
こうした彼らの人知れぬ努力が実り、2006年、ついにOSリングは市場に投入されたのだ。

※FEM解析:
Finite Element Methodの略。コンピュータを用いて、構造物の変形や振動を数値的に解析する方法。

Chapter 3

OSリングは、現状に満足しない。
技術者もまた、前を向く。

OSリングは、発売後もお客さまをサポートするために、進化を続けている。その一例が、CRSS(OSリング検討コラボレーションサイト)だ。建設の現場では、建物の強度を保ちつつ多くの設備を設置するために、配管の孔を梁のどこに開けるのがベストの選択かを検討する。それは多くの時間を費やすという課題があった。「CRSSは最適な孔の位置を瞬時に確認できるシステムです」と話すのは、このソフトの開発にあたったY. M. だ。パソコン上で数値を入れるだけで孔の位置を簡単にシミュレーションできる。現場には大きなメリットがあるのだ。そしてCRSSによって、市場でのOSリングへの支持は更に拡大した。
製品としての安全性や完成度の高さはもちろん、施工性の良さ、CRSSの利便性、それらが相まって、OSリングは現在マーケットにおいて確固たる地位を築いている。しかし、「確かに営業からお客さまに好評をいただいていると聞けばうれしいのですが、同時にお客さまからのご要望も数多くあります。それに応えていかなければという意識が強いですね」とT. H. は語る。
彼らのチームワークや連携によって、OSリングというヒット商品が生まれた。しかし現在、ほっとする間もなく、次なる製品開発に取り組んでいる真っただ中だ。「苦悩の日々です」とT. H. 。しかし、その表情には笑顔がのぞく。岡部の技術者にとって、挑戦できる喜びに勝るものはないのだ。

彼らは今も、次なる可能性へ向かっている。

OSリング開発のプロジェクトに取り組んだ3人の技術者たちは、今も情熱を傾けながら、それぞれのテーマに向き合っている。M. M. は現在岡部の主力商品であるベースパックの技術支援に携わりながら、新製品開発のヒントを見つけようと躍起だ。Y. M. は常に製品を使うお客さまの目線をモットーに、OSリングの設置検討をサポートする役割を担っている。そしてT. H. は、開発チームのリーダーとして、構造機材関連製品の開発を進めている。彼らは誰しもOSリングの成功に安住することなく、次なるヒット商品を生み出すべく、日々悩みながらも創意工夫を重ねている。

このメンバーならなんでもできる!

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