岡部株式会社

土木事業部

Q&A

1.ロックボルト関連

一般的なロックボルト長を教えてください。
一般的には2m~5m程度です。
(切土補強土工法設計・施工要領H19.1 NEXCO P.37)
当社の実績としても道路工事については、6m以内が大半です。
1本もので何mまで可能ですか?
6mまでは可能です。
溶融亜鉛めっき処理をする際のめっき漕の大きさが最大6mまでしか対応できないためです。
カップラーは必ず必要ですか?
必ず必要な部材ではありません。
民家の裏など狭い箇所での施工や削孔機械の能力、ロックボルトが長尺の場合など1本ものでの施工ができない場合に使用してください。
OSDPビット2種類(鉄・チップ付)の使い分けはなんですか?
下表のとおり地山の分類により使い分けをお願いしてます。
名称 砂質土
粘性土
礫質土 玉石混じり土 軟岩
鉄ビット - -
チップ付ビット -

ただし、地山は大半が均一でないため、ボーリング調査等で得られたデータと相違することが多く、判断に窮する場合は試掘等により決定してください。

頭部余長はいくらで設定すればよいですか?
打設角度の補正やナット全長嵌合を考慮し、100mmで設定する場合が多いです。
ただし、制約がある場合はこの限りではないです。

ベルキャップを使う場合、角度はいくらまで対応できますか?
対応できる角度以上の場合はどのようにしたらよいですか?
使用するロックボルト径や頭部余長により変化します。
頭部余長100㎜の場合の対応角度(目安)は下表のとおりです。
ボルト径 対応角度α
(°)
頭部余長
(mm)
D19 10 100
D22
D25
φ28.5
D29 5

※頭部余長が変わる場合は適用できません。
※φ28.5はOSDPロックボルトです。

対応できる角度以上の補正が必要な場合は、テーパープレートを併用いただくか角座金の下にモルタルを敷いて補正していただく方法があります。

六角ナットとコマナットの使い分けはありますか?
ロックボルトのナット機能としては同じで特に使い分けはありません。
ただし、組合せにもよりますが六角ナットの場合は付属部品が多くなることの経済性や施工手間よりコマナットを推奨しております。ベルキャップを使用した組合せについては下図のようになります。

腐食代を考慮した場合の断面積を教えてください。

断面積の算出式は下式のとおりです。

AS345ボルト(D19~D29)の場合
断面積=公称直径×公称直径×π/4

OSDPロックボルト(φ28.5)の場合
断面積=(有効径×有効径-中空径×中空径)×π/4

・腐食代未考慮断面積
ボルト径 公称直径
(mm)
断面積
(㎟)
D19 19.1 286.5
D22 22.2 387.1
D25 25.4 506.7
D29 28.6 642.4

※JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」抜粋

ボルト径 有効径
(mm)
中空径
(mm)
断面積
(㎟)
φ28.5 26.9 13.0 435.0
・腐食代を考慮した断面積(道路)
永久目的で使用する場合は、腐食代1mmを鉄筋公称径に対し考慮しなければならない。
(切土補強土工法設計・施工要領H19.1 NEXCO P.57 1部抜粋)
ボルト径 公称直径
(mm)
腐食代考慮公称直径
(mm)
腐食代考慮断面積
(㎟)
D19 19.1 18.1 257.3
D22 22.2 21.2 353.0
D25 25.4 24.4 467.6
D29 28.6 27.6 598.3

※腐食代考慮公称直径=公称直径-1mm

ボルト径 有効径
(mm)
腐食代を考慮有効径
(mm)
中空径
(mm)
断面積
(㎟)
φ28.5 26.9 25.9 13.0

394.0

※腐食代考慮有効径=有効径-1mm

参考
・腐食代を考慮した断面積(鉄道)

本設構造物として適用する場合は、設計時に腐食しろ1mmを全周考慮する。
(鉄道構造物等設計標準・同解説 土構造物 国土交通省監修 鉄道総合技術研究所編 P.263 1部抜粋)
ボルト径 公称直径
(mm)
腐食代考慮公称直径
(mm)
腐食代考慮断面積
(㎟)
D19 19.1 17.1 229.6
D22 22.2 20.2 320.4
D25 25.4 23.4 430.0
D29 28.6 26.6 555.7

※腐食代考慮公称直径=公称直径-2mm

ボルト径 有効径
(mm)
腐食代を考慮有効径
(mm)
中空径
(mm)
断面積
(㎟)
φ28.5 26.9 24.9 13.0 354.0

※腐食代考慮有効径=有効径-2mm

許容引張応力度および許容荷重はいくつですか?
また算出方法も教えてください。
許容引張応力度および許容荷重の算出式は、下記のとおりです。

(1)許容引張応力度について

1.AS345ボルト
(常時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(仮設時・地震時)
許容引張応力度
(N/㎟)
文献
1 196 294 コンクリート標準示方書
【構造性能照査編】土木学会
2 200 300 切土補強土工法設計・施工要領H19.1
NEXCO

→当社では、№1の常時196(N/㎟)、仮設時・地震時294(N/㎟)を採用しております。

2.OSDPロックボルト
降伏荷重
(kN)
(常時)
許容荷重
(kN)
断面積
(㎟)
(常時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(仮設時・地震時)
許容引張応力度
(N/㎟)
196 129 435 296.5 405.5

※許容荷重=降伏荷重×2/3で設定
※(仮設時・地震時)許容引張応力度=降伏荷重×1,000×0.9/断面積

(2)許容荷重(目安)について

許容荷重(kN)=許容引張応力度(N/㎟)×断面積(㎟)/1,000

1.腐食代を考慮しない場合
ボルト径 断面積
(㎟)
(常時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(常時)
許容荷重
(kN)
(仮設時・地震時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(仮設時・地震時)
許容荷重
(kN)
D19 286.5 196 56 294 84
D22 387.1 75 113
D25 506.7 99 148
D29 642.4 125 188
φ28.5 435.0 296.5 129 405.5 176

※小数以下切捨

2.腐食代を考慮した場合
ボルト径 断面積
(㎟)
(常時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(常時)
許容荷重
(kN)
(仮設時・地震時)
許容引張応力度
(N/㎟)
(仮設時・地震時)
許容荷重
(kN)
D19 257.3 196 50 294 75
D22 353.0 69 103
D25 467.6 91 137
D29 598.3 117 175
φ28.5 394.0 296.5 116 405.5 159

※小数以下切捨

スペーサーの数量算出方法を教えてください。
「最大ピッチ2.5mで最低2箇所以上スペーサーを配置する。」 とあります。
(切土補強土工法設計・施工要領H19.1 NEXCO P.53 一部抜粋)
1箇所目の配置位置については、下図に示すとおり先端部より50cm以内の設置を目安としています。また、付属部材の設置兼ね合いやロックボルトの径が大きい場合などは、スペーサーの設置間隔を狭める検討が必要となります。
設置数量の目安については、下表のようになります。

ロックボルト長(m) 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0
スペーサー個数(個) 2 2 2~3 3 3~4 3~4 4~5 4~5 4~6